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“A neo-Hegelian approach to economic institutions”

本研究会では、『現代経済学のヘーゲル的展開:社会科学の制度論的基礎』( NTT出版、2017年)の著者のお一人であるカーステン・ヘルマン=ピラート氏(https://www.cahepil.net)のお話をお伺いします。氏は、18世紀後半から19世紀初頭にかけて生きたヘーゲルに、制度学派系経済学及び経済史研究の核心を見出している経済哲学者の第一人者です。この新しいアプローチに基づく研究分野は今、人類の歴史に普遍的に存在した「市場」を基軸に、地球システムをも組み込んだ議論への展開が期待されていると考えます。打ち続くウクライナ危機がさらに地球資源をめぐるユーラシア危機へと展開する可能性もある現状において、中国研究者でもある氏からお話をお伺いできる大切な機会でもあります。どうぞ奮ってご参加ください。

今回の氏の講演タイトルは、”A neo-Hegelian approach to economic institutions“ ですが、ここに、Christian Hederer氏との共著である同氏の近著 A New Principles of Economics. The Science of Markets. (Rouledge, 2023) より、一節の邦訳を紹介します。

市場とは、多数の人々の間で経済的な交換を可能にする創発的な社会技術である。市場のアクターは、スキル、知識、設備の面で専門化し、市場で売り買いされる商品やサービスを生産する。それによって、彼らは、自給自足の状態に比べて相対的に利益を得ることができる。市場は、複雑な人間社会に遍在し、浸透している要素であり、経済や技術の発展度合いとは無関係である。歴史的には、市場は制度化された初期の物々交換の形態から生まれ、しばしば長距離貿易の文脈で精緻化され、次第に経済のあらゆる領域を包含するまでに進化した。市場は、人間の生活様式における分業の進化と深く関わっている。

(23/679: Adobe Digital Editions)

Zoomのオンライン・ハイブリッドで開催します。参加登録は、以下のURLにアクセスしてください。https://forms.office.com/r/1dy4QVuJau

英語での会合ですが、質問等は日本語でもお受けする予定です。

日時

2023年2月2日 16:00~18:00(ドイツ時間8:00~10:00)

場所

ICEDSルーム(遠隔教育調査研究室)/香川大学幸町北2号館2F +zoomによる遠隔配信

リーフレット